PS 1000pieces 201-☆201ふれたものには すべて 火がやどるのを 知って とびちがうのは すべて いまここをさす あなた 「むかしわが あつめし物を 思ひいでて 見なれがほにも くるほたるかな」2012.07.19 ☆202 ひかりをこえに なくのほたるは こえをたよりに さがすのきみを 「あはれにも みさほにもゆる ほたる哉 こゑたてつべき この世と思ふに」2013.07.04 ☆203 みずさえあれば かくなけるのに きみさえいれば まだみえるのに 「あさりせし 水のみさびに とぢられて 菱の浮葉に かはづなくなり」2013.07.04 ☆204 ひかりのおもてに むきあうばかりで とびかうくさびに おわれるばかりで 「夏ふかみ 玉江にしげる あしの葉の そよぐや舟の かよふなるらん」2013.07.04 ☆205 みるものとみられるもの どちらの瞳もおなじこと とるものととらせるもの どちらの罪もおなじこと 「早瀬川 みをさかのぼる 鵜飼舟 まづこの世にも いかがくるしき」2013.07.04 ☆206 ときの花 時運あわせて咲くのには ときの声 逃さずききてともに舞い 「見るがなを この世のものと おぼえぬは からなでしこの 花にぞありける」2011.07.16 ☆207 よとせをめぐる はなのごと いまさきひかる ひとのかお よとせにかくる はなのごと いまさきさわぐ ひとのいし いそぎたまうな むれたまうな 「常夏の 花もわすれて あき風を 松のかげにて けふはくれぬる」2012.08.04 ☆208 冬のけしきに にぶく咲く あつき陽の花 とじこめて とわ求めれば 永久に咲く あおき陽の花 解きはなて 「春秋も のちのかたみは なきものを 氷室ぞ冬の なごりなりける」2011.07.12 ☆209 ふれてもないのに あつさ漂い まどいもないのに ちから臨み みればひとよに みればひとよに 「あたりさへ 涼しかりけり 氷室山 まかせし水の こほるのみかは」2011.07.22 ☆210 なつの声は どこできくの 冷たき滴を 四肢に受けて あきの声は いつ始まるの 灼熱の記憶 さめぬ夕べに 「山かげや 岩もる清水の をとさえて 夏のほかなる ひぐらしの声」2011.07.26 ☆211 ひとつふたつ いのりの数を 珠にして みっつよっつ あゆみの音を 糧にして 「夕されば 玉ゐるかずも 見えねども 関の小川の をとぞすずしき」2011.07.30 ☆212 いにしえの夏も 過ごし難きを過ごし 清らな水の上に 熱ためぬ住い作りし 暑さは越したか そは傍らにあるのか 「岩間もる 清水をやどに せきとめて ほかより夏を すぐしつるかな」2011.08.02 ☆213 空のいろにも 紗はきえゆき 夜のこえにも 秋たちまじり 月はすずしき 君をてらすか 「さらぬだに ひかり涼しき 夏の夜の 月を清水に やどしてぞ見る」2012.08.10 ☆214 つぎはわたし つぎはあなた のぼる舞台を まつの人びと つぎはあなた つぎはわたし おりる舞台に みるの足あと 「せきとむる 山した水に みがくれて すみけるものを 秋のけしきは」2012.08.15 ☆215 ながきゆめみて あそびつくすも ときをおしみて やまをめざすも ふたたびあえる われのすがたに 「我ながら ほどなき夜やは をしからむ 猶(なほ)山のはに 有明の月」2012.08.21 ☆216 月も陽をも 諸手に抱き 冷熱の光り 御身に納む 「夏夜の 月のひかりは さしながら いかにあけぬる 天の戸ならむ」2012.08.24 ☆217 これが同じ海だなんて まるで夢を見てるよう これが同じ心だなんて そうよ夢を見てるのよ 「夕立の まだはれやらぬ 雲まより おなじ空とも 見えぬ月かな」2012.08.27 ☆218 月はね それを眺めてた人の 物なの って誰かがいってた 花はね それを見惚れた人の 物よね って言ってたのは君 「小萩原 まだ花さかぬ 宮木のの 鹿やこよひの 月になくらむ」2012.09.01 ☆219 はだは知ってる ひとみより先に かみは知ってる てゆびより先を 「夏ごろも すそのの原を わけゆけば をりたがえたる 萩が花ずり」2012.09.04 ☆220 思いもしませんでした 今この時が変わるのを 考えもしませんでした 君がここを越えるのを 「秋風は 波とともにや こえぬらん まだき涼しき すえの松山」2012.09.06 ☆221 しられたくない この背あずく庭 しらせたくない この身うずむ地 「岩たたく 谷の水のみ をとづれて 夏にしられぬ み山べの里」2013.07.18 ☆222 むすばずにおわる あまたのゆめのせ すくわずにのがす いくたのこいのせ 「岩間より をちくる滝の しら糸は むすばで見るも 涼しかりけり」2013.07.18 ☆223 みぞぎして ぬぐい去れる ものならば みそかより あつさ忘らる ものならば 「けふくれば 麻の立枝に 木綿かけて 夏みな月の みそぎをぞする」2013.07.18 ☆224 日々つもりゆく あくたさえ愛し 年月たまりゆく うれひさえ恋し 「いつとても をしくやはあらぬ 年月を みそぎにすつる 夏のくれかな」2013.07.18 ☆225 ひとつすくって ひとつはなして ここであそぶの(てにものるのよ) このよるのかぜ 「みぞぎする 川瀬に小夜や ふけぬらん かへるたもとに 秋風ぞふく」2012.09.11 ☆226 青きそらには 地の色は 映ってはいるのだろうか 香るかぜには かの声は 溶け入っているだろうか 目に染み肌にまとわせる 佳き朝の踏みしめたもの 「秋きぬと 聞きつるからに わが宿の 萩の葉 風のふきかはるらん」2011.09.06 ☆227 あしもとに 残るつめたさ 目には紅く 秋がおとずれ かわらぬと 唱え嘆きつつ 一つ二つと 進み行くあし 「浅茅生の 露けくもあるか 秋きぬと 目にはさやかに 見えけるものを」2011.09.10 ☆228 目に映らぬもののたしかさを あざやかに知るここに生まれ 手に触らぬもののやさしさを そのままに置くここに生まれ 「秋のくる けしきの森の した風に たちそふ物は あはれなりけり」2011.09.13 ☆229 ひきこもり さして動かぬ身にも ひかりの色 やわらかくとどいて まつばかり さして努めぬ身さえ まぶしき色 胸ひらき受けとめて 「八重葎 さしこもりにし 蓬生に いかでか秋の わけてきつらむ」2011.09.16 ☆230 もう驚くことなど 何もありはしない 準備万端 いつでもここから出発OK どこへ石を置いても そこがいしずえ 「秋はきぬ 年もなかばに すぎぬとや 荻ふく風の おどろかすらむ」2011.09.17 ☆231 満たされて もういいよと 流れるのが なみだなのに 染められて もういいよと 落ちるのが このはなのに 「木の葉だに いろづくほどは あるものを 秋風ふけば ちる涙かな」2012.09.15 ☆232 めにはけしきが みみにはこえが はだにはかぜが あきを染ませて 「神山の 松ふく風も けふよりは いろはかはらで をとぞ身にしむ」2012.09.15 ☆233 かみからいつも あきもたらされ ひとにはいつも われがうつされ 「ものごとに 秋のけしきは しるけれど まづ身にしむは をぎのうは風」2012.09.21 ☆234 あわねばよいのに なぜときあうのか きかねばよいのに なぜゆきかうのか 「秋風や なみだもよをす つまならむ をとづれしより そでのかはかぬ」2012.09.25 ☆235 いちどもあわず 暮れ越すよりも なにもしらずに 待ち越すよりも 「七夕の 心のうちや いかならむ 待ちこしけふの ゆふぐれの空」2018.07.19 ☆236 うつくしく いま きれなびき かぜうけて いま こぎいだし 「七夕の あまつひれふく 秋風に 八十の船津を み舟いづらし」2018.07.18 ☆237 まつものがなにか みえてはいても かさねてもなにも みたぬとしても 「七夕の あまの羽衣 かさねても あかぬちぎりや 猶むすぶらん」2018.07.19 ☆238 このときのために つもってゆくのは ひごとにあえたら つもってゆくのは 「こひこひて こよひばかりや 七夕の 枕にちりの つもらざる覧」2018.07.19 ☆239 またあえると わかっていても もうあえぬと しってるように 「七夕の あまの河原の 岩枕 かはしもはてず あけぬこの夜は」2018.07.30 ☆240 ぼくがつかのま てにしたものを とわにつづくと わたしたものを 「七夕に 花そめころも ぬぎかせば あか月露の かへすなりけり」2018.07.30 ☆241 そらにおぼろに ながるみずには そらにおぼろに うつるつきには 「天の川 心をくみて 思ふにも そでこそぬるれ あか月の空」2018.07.30 ☆242 どんなに誓ったとしても 僕のおもいがはれぬなら なんども誓ったとしても 君のこころがかわるなら 「秋くれば 思ひみだるる かるかやの した葉や人の 心なるらむ」2012.09.27 ☆243 いちにのさんで はじまった恋の いちじんのかぜ ふきいれる隙の 「をしなべて 草葉のうゑを 吹風に まづした折るゝ 野辺のかるかや」2012.10.01 ☆244 つめたくのこる あとをたどりて まだ手にのこる かれをさがして 「ふみしだき 朝ゆく鹿や すぎつらん しどろに見ゆる 野ぢのかるかや」2012.10.04 ☆245 まだわからない あきはきてるか まだわからない かぜはきてるか 「秋きぬと 風もつげてや やまざとに 猶ほのめかす はなすゝきかな」2012.10.04 ☆246 そのことばひとつで 心おれてしまうのは そのおもいひとつで 生きるときめるのは 「いかなれば うは葉をわたる 秋風に した折れすらむ 野辺のかるかや」2012.10.13 ☆247 ひとりでみるの はなのさくのを ひとりできくの むしのなくのを 「人もがな 見せも聞かせも 萩の花 さく夕かげの ひぐらしの声」2018.07.30 ☆248 なにはなくとも こぼれるはなの なにもせずとも みずはしる地の 「秋山の ふもとをこむる いゑゐには すそ野の萩ぞ まがきなりける」2018.08.24 ☆249 ただそこに 咲くだけの ただそこで 鳴くだけの 「宮城野の 萩やをじかの つまならむ 花さきしより 声の色なる」2018.08.24 ☆250 きみがもすそを そめているのは くりかえす日を そめているのは 「心をば 千草のいろに そむれども そでにうつるは 萩が花ずり」2018.08.24 ☆251 あゆめば とどくの おりたいこころの おもむくままにて 「露しげき 朝の原の をみなへし ひとゑだをらむ 袖はぬるとも」2018.08.24 ☆252 あなたがそれを みただけなのに あなたがそこに いただけなのに 「女郎花 なびくを見れば あき風の ふきくるすえも なつかしきかな」2018.09.08 ☆253 ぼくのなみだを このはなにみて ぼくのなみだを きみにつたえて 「女郎花 涙に露や をきそふる 手折ればいとど 袖のしほるる」2018.09.08 ☆254 吹くかぜにただ たおれふすのも 吹くかぜにただ たちむかうのも 「ふく風に 折れふしぬれば 女郎花 まがきぞ花の まくらなりける」2018.09.08 ☆255 すそにつめたく のこるくさつゆ みみにすずしく さわるむしおと 「夕されば 萱がしげみに なきかわす 虫のねをさへ わけつゝぞ ゆく」2012.10.15 ☆256 身にしみのこる 夏のあとさがし 肌におぼえある 秋のひをむかえ 「さまざまに 心ぞとまる 宮木野の 花のいろいろ 虫のこゑごゑ」2012.10.15 ☆257 RENT レント この世は 借り物 ならばと 急いで この秋を 越えん 「秋くれば やどにとまるを たびねにて 野辺こそつねの すみかなりけれ」2012.10.24 ☆258 陽に地に風に もまれたゆたう ちいさき舟に つめられし人は もの皆ひとつ 皆ものひとつと 繰り返しまた 立ちあがりまた 「野分する 野辺のけしきを 見る時は 心なき人 あらじとぞ思ふ」2011.09.03 ☆259 その風きけば はだえ恋しく その香きけば さとや愛しく 「夕されば 野辺の秋風 身にしみて うづらなくなり 深草のさと」2012.10.30 ☆260 かくるる里の 哀しき夕べに ひめたる恋の 現わる夜わに 「なにとなく 物ぞかなしき 菅原や 伏見の里の 秋の夕ぐれ」2012.11.02 ☆261 髪の香そえて 君まつものを 秋の音そえて 君ひくものを 「さまざまの 花をばやどに うつしうゑつ 鹿のねさそへ 野辺の秋風」2012.11.05 ☆262 君にそまりて 我いろなくし 我がそまれば 君はさりゆく 「秋の野の 千草の色に うつろへば 花ぞかへりて 露をそめける」2012.11.10 ☆263 寂しき心に 露こぼれて 涸れた心の 色たどりて 「草木まで 秋のあはれを しのべばや 野にも山にも 露こぼる覧」2012.11.14 ☆264 気づきはしない ここにいるのを 分かりはしない きえてないのを 「はかなさを 我身のうゑに よそふれば たもとにかかる 秋に夕露」2012.11.17 ☆265 つかまえておいてよ てはむすんでるから かぞえないでいてよ ひとつはのこるから 「竜田姫 かざしの玉の 緒をよはみ みだれにけりと 見ゆるしら露」2012.11.17 ☆266 耳にうずまく 風おととらえ 心のこぼれる 痕をたしかめ 「夕まぐれ 萩ふく風の をと聞けば たもとよりこそ 露はこぼるれ」 2018.10.09 ☆267 そのそわそわとした心は だれがあなたに与えたの このうつうつとした心を なにがわたしに移したの 「おほかたの 露にはなにの なるならん たもとにをくは 涙なりけり」2012.11.22 ☆268 かたちがそれと わかっていても いろがまねくと わかっていても 「花すすき まねくはさがと 知りながら とどまる物は 心なりけり」2018.10.09 ☆269 いつまでもあると 思わないであなた いつきてもいいと 信じないであなた 「ときしもあれ 秋ふるさとに きて見れば 庭は野辺とも 成にけるけな」2012.11.28 ☆270 ひといなくとも くさおいしげり かれいなくとも あきおりたてり 「宿かれて 幾日もあらぬに 鹿のなく 秋の野べとも なりにけるかな」2014.10.21 ☆271 目にのこる青の いまのいろめは 手にのこる衣の いまのはだめは 「いまはしも ほにいでぬらん あづま路の 岩田の小野の しののをすすき」2014.10.21 ☆272 こころのままに ふぶくかざおと こころのままに ひらくひとみち 「夕されば 小野の浅茅生 玉ちりて 心くだくる 風のおとかな」2014.10.21 ☆273 色も熱も ひとしくとも 人も所も ひとしくとも 「ときはなる 青葉の山も 秋くれば 色こそかえね さびしかりけり」2014.10.21 ☆274 あきの憂うつは もの想うゆえに 痛めるうつつも 月あるがゆえに 「秋の夜の 心をつくす はじめとて ほのかに見ゆる 夕月夜かな」2014.11.10 ☆275 月のぼれど 未だしろく 陽かくれて 光えるもの 「秋の月 たけねの雲の あなたにて 晴れゆく空の くるるまちけり」2014.11.10 ☆276 風ふきはじめ 雲はらわれて 月あらわるる 気しみはじめ 陽もかくれて 月あらわるる 「こがらしの 雲ふきはらふ たかねより さえても月の すみのぼるかな」2014.11.10 ☆277 目にひとしくも 身にとおすのは 身はかわらねど 名をおしむのは 「いづこにも 月はわかじを いかなれば さやけかるらん 更級の里」2014.11.10 ☆278 月みる夜は 空さえすんで 月みる僕は 身さえわすれ 「いでぬより 月みよとこそ さえにけれ 姨捨山の ゆふぐれの空」2018.10.09 ☆279 たえまなく砂に 月のふりそそぐ たえまなく空に 声のふりそそぐ 「くまもなき み空に秋の 月すめば 庭には冬の 氷をぞしく」2018.10.09 ☆280 いまはとおくに おもえていても こころひとつに うつるこのよは 「月みれば はるかに思ふ 更級の 山も心の うちにぞありける」2018.10.09 ☆281 このときがつづくと しんじられるのは またあすもあえると しんじられるのは 「あすも来む 野路の玉川 萩こえて いろなる波に 月やどりけり」2018.10.22 ☆282 そらにも手にも やどれる珠には さえざえとさす つめたき珠には 「玉よする 浦わの風に 空はれて ひかりをかはす 秋の夜の月」2018.10.22 ☆283 その雲のえがく うごくものには その瞳のたどる うごくものには 「さ夜ふけて 富士のたかねに すむ月は けぶりばかりや くもりなるらん」2018.10.22 ☆284 手にとりみえる つめたき水の 目にとりみえる まあるき水の 「いしばしる 滝のしら玉 数見えて 清滝川に すめる月かげ」2018.11.9 ☆285 よるてらす つきにのり よるはしる かぜまとい 「塩竃の 浦ふく風に 霧はれて 八十島かけて すめる月かげ」2018.11.09 ☆286 つきをよむのに しらぬかおされ きみをみるのに まなこはずされ 「思ひぐま なくても年の へぬる哉 ものいひかはせ 秋の夜の月」2018.11.09 ☆287 そらにはいつも ぼくがうつって つきにはいつも きみをみていて 「山の端に ますみの鏡 かけたりと 見ゆるは月の いづるなりけり」2018.11.17 ☆288 このかたき水の みちをとおって この光さす地の みちをとおって 「秋の夜や 天の川瀬は こほるらん 月のひかりの さえまさるかな」2018.11.17 ☆289 つめたき月の おもわに君の ひきゆく波の なみねに君の 「遠ざかる をとはせねども 月きよみ こほりと見ゆる 志賀の浦波」2018.11.17 ☆290 月下の友の かげといて 月すむ夜に ひとりいて 「つねよりも 身にぞしみける 秋野の 月すみ夜半の 荻のうは風」2018.11.17 ☆291 とけるまで そうとけるまでと みるけれど つきにまで そうつきにまでと のべけれど 「ながめやる 心のはてぞ なかりける 明石のをきに すめる月かげ」2019.08.17 ☆292 すなひとつぶを やをにつらねて すなひとつぶに いのちかさねて 「八百日ゆく 浜のまさごを しきかへて 玉になしつる 秋の夜の月」2019.08.17 ☆293 つきのひかりに かわおとさえて つきのひかりに この身とかして 「石間ゆく みたらし河の をとさえて 月やむすばぬ こほりなるらむ」2019.08.17 ☆294 ふりそそぐ つきのかげりの さすはだは ふりそそぐ ひかるるかげの さすはだは 「月かげは 消えぬこほりと 見えながら さざなみよする 志賀の唐崎」2019.08.17 ☆295 しろきつきの ひかりのもと むかうつきの ひかりのもと 「照る月の かげさえぬれば 浅茅原 雪のしたにも 虫はなきけり」2019.09.03 ☆296 すべてにやどる ちいさきつきの すべてにやどる だいなるわれの 「あさぢはら 葉ずゑにむすぶ 露ごとに ひかりをわけて やどる月かげ」 ☆297 ぼくのときはね すぎていくけど きみもいつかは すぎてゆくけど 「ふけにける 我世の秋ぞ あはれなる かたぶく月は またもいでなん」2019.09.03 ☆298 憂さとしたしく よりそえるのは 寂きとしたしく よりそえるのは 「身のうさの 秋はわするる 物ならば なみだくもらで 月は見てまし」2019.09.03 ☆299 もちづきはしらぬ てらされるかげを もちづきはしらぬ おほかたのこえを 「おほかたの 秋のあはれを 思ひやれ 月に心は あくがれぬとも」2019.10.01 ☆300 ぼくのこころは のこるのに きみのこころは かみのつき 「たぐひなく つらしとぞ思ふ 秋夜の 月をのこして あくるしののめ」2019.10.01 |